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【初心者必見】サラリーマンなら知っておきたい年末調整のポイントを徹底解説

なやめる君
なやめる君

年末調整ってなんで必要なの?
毎年会社で手続きしているけど、何をやっているかまったく理解できていないから心配…
年末調整って節税になるってホント?


元大手銀行員でファイナンシャルプランナーの資格を持つ僕たちが、このようなみなさんの疑問やお悩みにお答えしていきます。


サラリーマンであれば年末調整は毎年おこなうものですが、難しいイメージを持っている人が多く、理解できていない人が多い印象です。


年末調整は、サラリーマンにとって、節税のチャンスです。


しかし、自分で申告しない限り、節税ができない部分も多いので、仕組みを理解して、自分が取りこぼしているお得はないか確認していきましょう。


今回は、細かい計算などではなく、なぜ年末調整をやっているのか、どういう点に気をつけるべきなのか、について丁寧に解説していきます。


また、サラリーマンが節税をするため(損しないため)に、覚えておきたいポイントについても詳しく解説していきますので、一緒に理解していきましょう!


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まとめ

①年末調整の目的
②年末調整と確定申告の違い
③控除とは?
④年末調整で受けられる控除
⑤確定申告でしか受けられない控除

✔本記事の信頼性


年末調整の目的


まずはじめに、『年末調整』とは何なのか、どんな目的でやっているのか、年末調整の全体像について説明していきます。


年末調整とは?
給与所得者(サラリーマン)が毎月の給料やボーナスから天引きされている所得税を再計算し、納税額を調整する制度。


フラン
フラン

こう書かれると、なんだか難しそうですよね。もう少しかみ砕いて、なぜ年末調整が必要なのかについて、説明していきます。


毎月の給与から税金が天引きされていることは、みんな知っているかと思います。


しかし、その天引きされている税金が、実は決定した金額ではなく概算の金額である、ということは知らない人が多いです。


この天引きされている税金というのは、大きく「所得税」と「住民税」に分かれ、これらの税金の金額は、1月~12月の1年間の所得によって決まります。


所得税

1月から12月までの1年間の所得によって、その年の所得税額が決定
▶ そのため、概算で天引きしていた所得税を12月の年末調整で清算する必要あり(後ほど詳しく説明)


住民税

1月から12月までの1年間の所得によって、翌年6月からの住民税額が決定
▶今年の所得が確定してから翌年に課税されるため、年末調整の必要なし


ここからは、年末調整をする必要のある「所得税」に絞って、説明していきます。


先ほど説明したとおり、実はみなさんの毎月の給与から天引きされる「所得税」というのは、概算で計算された金額が毎月天引きされています。


これは、正確な所得税額は、年間の所得から計算されるため、12月にならないと所得税の金額が確定できないためです。


マルク
マルク

だから、毎月の給与からは概算でこれくらいだろうという税金を天引きしておいて、1年間の給与総額が決まる12月に年末調整をして、所得税を精算するんですね。


この給与から概算で天引きされた所得税と実際に納めなければならない所得税を計算し、過不足を清算するために年末調整はおこないます。


この所得税の清算や所得税の納付をおこなう業務は、すべて会社がおこなってくれています。


会社側は正しく所得税の計算をおこなうために、従業員の個人的な事情を把握し、それを反映させる必要があります。


これは、下のような個人的な事情がある人は一定のルールのもとで税金が安くなるという仕組みがあるためです。


  • 結婚や出産により扶養家族が変わった
  • 民間の生命保険に加入している
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金を払っている
  • 住宅ローンを支払っている


これらの個人的な事情は、本人から会社に伝えなければ会社側は把握することができません。


フラン
フラン

そのため、年末調整ではどんな事情が所得税を安くしてくれるのかをきちんと把握して、自分の状況を正しく会社に伝える必要があるんですね。


サラリーマンが年末調整で損をしないためのポイントはこれです。


年末調整と確定申告の違い


それでは次に、『年末調整』とごっちゃになりやすい言葉で『確定申告』というものがあります。


これらの違いについて、理解できていない人も多いと思うので、ここでしっかり整理していきましょう。


確定申告とは?
1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税等の額を計算して、確定させる手続のこと。


マルク
マルク

こう書くと、年末調整との違いがわかりにくいですよね。
年末調整との違いを整理していきます。


先ほど説明したとおり、サラリーマンの場合、1年間の給与に対する所得税は、会社が『年末調整』を行って金額を確定し納税してくれます。


これに対して、給与以外の所得と合算して所得税を清算する場合や年末調整では処理できない場合に所得税を精算するのが確定申告です。


つまり、一般的なサラリーマンであれば所得税の清算は『年末調整』で済むことが多く、給与以外に不動産所得があったり、副業をしていたり、特別な事情がある場合に『確定申告』をするイメージです。


今回は、『確定申告』については詳しく説明しませんが、『年末調整』も『確定申告』も、所得税の金額を確定させて納付する手続き、ということは覚えておいてください。


控除とは?


次に、年末調整を学ぶときに必ず出てくる『控除』という言葉について、説明していきます。


年末調整と聞くと、基礎控除とか配偶者控除とか、〇〇控除という言葉がたくさん出てきます。


この『控除』というのは、簡単にいえば『一定の金額を差し引く』という意味です。


フラン
フラン

さっき出てきた一定のルールのもとで所得税が安くなる=控除が使えるってことなので、覚えておきましょう。


つまり、この『控除』がどれだけ使えるかで、どれだけ所得税を抑えられるかが決まるわけです。


所得税額を計算するフローを表すと下の図のようになり、控除もいろいろな種類があることがわかると思います。



この中で「給与所得控除」というのは、給与収入に応じて「経費分」として差し引かれるもので、給与収入の金額によって計算されるものなので、基本的に自分の意思でコントールできるものではありません。


マルク
マルク

サラリーマンには自営業とは違って、収入から経費を差し引く制度がないから、こういう控除があるんですね。


これに対して、先ほど説明した”個人的な事情”で、『控除』を利用して、節税できるのが「所得控除」と「税額控除」の部分です。


ここでは計算方法などについては触れませんが、「給与所得控除」→「所得控除」→「税額控除」の順に節税効果があると覚えておいてください。


年末調整で受けられる控除


それでは次に、年末調整で控除できるものについて、解説していきます。


年末調整で控除できるもの
  • 基礎控除
  • 配偶者控除・配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 障害者控除
  • 寡婦(寡夫)控除
  • ひとり親控除
  • 勤労学生控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 住宅ローン控除(2年目以降)


先ほども説明したとおり、これらの所得控除は、基本的に会社が年末調整を通じて申請をしてくれます。


その際に、従業員の家族構成や保険などの加入状況については、本人からの申告がない限り会社側は把握できないので、毎年従業員が申告書の提出をする必要があるわけです。


フラン
フラン

この申告書をベースに会社側は年末調整をしますので、適当に申告書を出してしまうと、本来受けられる控除が受けられていないこともあるんです。


そのため、年末調整の必要性を正しく理解し、正しい内容で申告書を提出する必要があります。


これらの控除内容を1つ1つ説明すると、すごいボリュームになってしまうので、今回は自分から申告しないと控除が適用されないもので、多くの人に当てはまる控除について、説明していきます。


①生命保険料控除【所得控除】


年末調整といえば、生命保険料控除証明書を出す、と覚えている方も多いのではないでしょうか。


マルク
マルク

生命保険料控除は、結婚している方やそれなりの年齢になってくれば、多くの人が利用する控除の1つですね。


生命保険に加入していると、控除が受けられるので、節税に繋がっていると考えている人も多いですが、入れば入る分だけ控除されるわけではないので、その点だけは注意しましょう。


具体的には、生命保険料控除といっても、以下の3種類の控除があります。

  1. 一般生命保険料控除
  2. 介護医療保険料控除
  3. 個人年金保険料控除


これらの控除は、それぞれ上限額が決まっていることから、自分の加入している生命保険はどの種類に分類されるのか、各保険会社からくる「生命保険料控除証明書」に記載されているので、確認しておきましょう。


フラン
フラン

10月頃に届く「生命保険料控除証明書」は大切に保管し、年末調整の時期になったら、忘れないように会社に提出しましょう。


②小規模企業共済等掛金控除【所得控除】


小規模企業共済等掛金控除とは、対象となる共済制度の掛金を支払った場合、その全額を所得から控除できるというものです。


こんな難しい言葉で書かれるとなんのことだかわかりませんよね。


これは、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金や企業型DC(企業型確定拠出年金)と呼ばれるものの掛け金を控除にできるというものです。


iDeCoや企業型DCについては、また詳しく記事を書く予定ですので、ここではiDeCoや企業DCというものに加入していると、小規模企業共済等掛金控除が利用できる、つまり節税になるとだけ覚えておいてください。


③住宅ローン控除(2回目以降)【税額控除】


最後は、住宅ローン控除です。


これは「所得控除」ではなく「税額控除」であり、毎年の年末の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除できるものです(上限あり)。


年末に住宅ローンが4,000万円あれば、その10%の40万円分が所得税から控除されるので、大きいですよね。


さらには、消費税が10%に引き上げられたことに伴い、控除期間を13年間に延長もしています。


マルク
マルク

住宅ローンの金利が1%を切っているのに、ローン残高の1%が控除されるということで、借りた方がお得!と考えて、住宅ローンを借りすぎてしまう人が増えていますよね。


ちなみに、住宅ローンを組んだ1年目だけは、確定申告をしなければなりません。


2年目以降は、年末調整で処理できますので、必要書類を会社に提出するだけでOKです。


確定申告でしか受けられない控除


これまで説明してきたとおり、サラリーマンは会社側が年末調整をしてくれるので、基本的には確定申告をする必要ありません。


しかし、年末調整では対応できず、確定申告でしか控除されないものというのがありますので、以下の3つに該当する人は必ず確定申告をするのを忘れないようにしておきましょう。


確定申告でしか控除できないもの
  • 寄附金控除
  • 医療費控除
  • 雑損控除


これらのうち、利用する可能性が高い寄附金控除と医療費控除について、もう少し詳しくみていきます。


①寄附金控除【所得控除】


1つ目は、寄附金控除です。


聞きなれない言葉かもしれませんが、簡単にいうとふるさと納税をしたときに利用する控除です。


ただし、ふるさと納税をした人、全員が対象なわけではなく、以下に説明する「ワンストップ特例制度」を利用できない方(利用しない方)が対象となります。


『ワンストップ特例制度』とは、以下の2つ条件を満たせば、ふるさと納税の確定申告が不要になる制度のことを言います。


ワンストップ特例制度が利用できる条件

①ふるさと納税以外の確定申告が不要な給与所得者(会社員など)の方
②1年間(1月~12月)でふるさと納税の寄附先が5自治体以内である方


この制度の活用により、多くのサラリーマンは、確定申告を行うことなくふるさと納税できるようになりました。


フラン
フラン

多くの場合、ふるさと納税で確定申告は不要ですが、勉強のために1度確定申告をやってみても理解が深まるのでおすすめです。


ふるさと納税については、下の記事で詳しく説明しているので、興味のある方はぜひご覧ください。


【初心者必見】ふるさと納税は楽天ふるさと納税で|元大手銀行員が徹底解説


②医療費控除【所得控除】


これは意外と知らない人が多い控除の1つです。


簡単にいうと、1年間で10万円を超えた医療費が控除になる制度です。


なかなか10万円を超える医療費を使うケースはないかと思われがちですが、レーシックや不妊治療、インプラント代も医療費に含まれます。


また、治療に関する費用以外に、通院のための交通費や生計を一にしている家族の分もまとめて申告することが可能です。


これも知らないと使えないので、ぜひ覚えておいて、使えるタイミングがきたら必ず確定申告をして、損をしないようにしていきましょう。


まとめ


今回は、『年末調整』の目的や代表的な控除とその特徴について、解説してきました。


これまで説明してきたように、『年末調整』は会社が所得税の計算や納付をおこなってくれるので、サラリーマンにとってはありがたい制度です。


しかし、年末調整は自分で申告をしないと、控除されない部分も多いことから、しっかり仕組みを理解することが必要です。


これをきっかけに、年末調整の目的や仕組みを理解して、お金に強くなっていきましょう!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。